夏の体調不良の熱中症。予防に塩分が必要なわけとは?

夏の体調不良の代表といえば熱中症が思い浮かびます。熱中症の予防には水分だけではなく塩分の摂取も必要と言われています。テレビの清涼飲料のCMでも水分だけではだめと言っていたり、冷水機の横に赤い蓋の食塩のビンが置いてあるような工場もあります。

どうして塩分も必要なんでしょうか。熱中症という体調不良を予防するために熱中症と塩分の関係について見てみたいと思います。

夏の体調不良の熱中症になるわけ

人間は恒温動物のため体温は一定に保たれている必要があります。体温が一定に保てなくなると様々な体調不良が引き起こされてしまいます。体調不良にならないために体温が上がってくると熱を放出します。皮膚表面から発汗し、汗の気化熱によって熱を放出し体温を保とうとします。

発汗の量が多くなると体内の水分量が少なくなってしまいます。人間の成人はおよそ60〜65%が水分でできていいます。水分量のうち約1.5%を失うとエネルギーレベルが低下すると言われています。

実は人間は水分が不足しているだけでは脱水症状にはなりません。脱水症状は体の水分と同時に塩分が失われたときに起こります。

熱を放出するために汗をかきますが汗をかくと水分と同時に体内から塩分も失われてしまいます。水分と塩分が失われた状態が脱水状態となり、体温一定に保てなくなり、上昇してしまうのが熱中症です。

熱中症になるとめまいや吐き気、皮膚の乾燥といった様々な体調不良が引き起こされてしまいます。

どうして脱水症状は塩分が不足すると起きるのか

人間は体温を保つために暑くなると発汗して水分と塩分を失います。発汗により大量の水分を失うと水分を補給するため喉が渇き水分を摂取します。しかし、水分と同時に塩分が失われていると発汗に見合った量の水分を摂ることができません。

人間の体には血液が流れていますが血液は約0.9%のナトリウムを含んでいます。発汗により塩分が失われている状態で水分だけ補給すると血液中のナトリウムの濃度が低下してしまいます。

ナトリウムの濃度が低下すると体の浸透圧を維持できなくなってしまいます。浸透圧によって細胞の状態が維持されているため浸透圧を維持できないと倦怠感や眠気に襲われたり脈拍が弱くなるなどの体調不良を引き起こしてしまいます。

そのため塩分が不足していると水分も摂取できなくなります。水分、塩分両方ともが不足して脱水症状となります。熱中症の予防には脱水症状にならないことが大切です。そのために水分とともに塩分を摂取することが重要です。

ただし塩分の取りすぎには注意が必要

熱中症による体調不良を予防するためには発汗により失われる水分と塩分を摂取することが重要です。ただし、塩分の摂取が必要になるのは多量の汗をかいた場合のみです。普通に生活していてじんわりとかく程度の汗の場合に塩分を摂取すると過剰摂取になる可能性があります。

基本的に塩分は食事に多く含まれています。日本人は世界的に見ても塩分の摂取が多いと言われています。じんわりとかく程度の汗でしたら食事で摂取している塩分で十分足りています。そのため塩分を追加で摂取すると過剰摂取になってしまうために注意が必要です。

しかし、夏バテ気味だったりその他の体調不良により普通に食事ができていない場合はじんわりとしか汗をかいていなくても水分、塩分が不足する可能性もあります。その場合は脱水により熱中症になる可能性があります。医療機関を受診する必要があるかもしれません。

健康メモまとめ

水分と塩分の不足による脱水症状によって熱中症になります。

塩分が不足すると水分も摂取できなくなてしまいます。

多量に発汗した際は水分とともに塩分の摂取が必要です。

通常生活での発汗レベルの場合は食事で塩分を補給できているため過剰摂取には注意が必要です。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加