夏にかけて気温が上がる時期になると熱中症を起こす人が増えます。
発汗によって体内の水分や塩分が失われると脱水症を起こして熱中症に進んでしまいます。
体内の水分が少ない高齢者は気づかずに脱水症を起こしている状態の「かくれ脱水」に要注意です。
自分では気付きにくい「かくれ脱水」
「かくれ脱水」とは脱水症の一歩手前の状態です。
そもそも脱水症は進行するまで症状が出にくいのが特徴です。
症状が出にくいため、脱水症になりかけているのに本人も周りの人も気付かず有効な対応が取れないことになってしまいます。
特に年をとると誰しも血液や唾液などの体液は減少します。
一般的な成人は60〜65%が水分と言われています。
対して高齢者の水分は50〜55%と言われています。
水分は食事でおよそ1000ml摂取されると言われています。
また、塩分も食事で摂取されます。
高齢になると食事の量が減少して水分や塩分が十分摂取できていない人が多くなります。
水分や塩分を十分摂取できないと熱中症のリスクは増えます。
高齢者は喉の渇きや暑さを気付きにくくなったり
トイレが近くなるのを嫌がって水分補給を控える傾向にあります。
これは重篤化を招く要因となってしまいます。
「かくれ脱水」に気づくことはできないの?
脱水症は気づいたときには症状が進行しているため
重篤化してしまう危険性が大きくなってしまいます。
「かくれ脱水」の状態で気づくことができれば重篤化を防げる可能性が高いです。
かくれ脱水を疑った方が良い体のサインとしては
「食欲がない」「便秘」「何を食べても美味しくない」「話がかみ合わない」「足がつる」「口が渇く」「元気が出ない」「汗が多く体がベタベタする」などの症状があります。
このような症状が出た場合はかくれ脱水が疑われます。
手の甲をつまんでかくれ脱水かどうかを確認する方法もあります。
指で手の甲をつまんで山のような形を作ります。
指を離しても山の形がすぐには戻らない場合はかくれ脱水が疑われます。
かくれ脱水が疑われたときは早めに医師に相談することが大切です。
脱水は「かくれ脱水」の段階でとめて予防を
脱水症は症状が出たときには重篤化してしまう恐れがあります
重篤化を防ぐためには「かくれ脱水」の段階で止めることが大切です。
ポイントは脱水症を起こしやすい環境にしないことです。
・喉が渇く前に水分補給をしましょう
喉が渇いたと感じた頃にはすでに多くの水分が失われています。
体の水分量を保つために渇きを感じる前に水分を補給するようにしましょう。
一度にたくさんの水分を補給するのではなく何度かにわけて定期的に補給するのが効果的です。
・部屋の温度をこまめに測る
部屋の温度が高いと発汗が多くなり水分が失われます。
室温は28度以下が目安です。
それより温度が高い場合は冷房を使うなどして温度を下げましょう
・規則正しい生活をする
体力が落ちていると脱水症になりやすくなります。
規則正しい生活を心がけて
睡眠は十分にとって食事も3食きちんと食べるようにしましょう
・風通しの良い服装にする。
熱がこもってしまうと発汗が多くなります。
薄手の服や風通しの良い服をきて熱がこもらないようにしましょう